平成30年度 松阪市民病院 病院指標

内科については、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科の専門内科の医師が連携し、診療にあたっております。
上位２位までの肺の悪性腫瘍疾患については、呼吸器内科医師にて対応しておりますが、内科系疾患の副傷病名の治療も行っております。

循環器内科の入院内訳は、冠動脈カテーテル検査が最多(223+60)件となっています。
可能であれば検査当日、翌日退院として短い入院で検査が行えるよう配慮しています。
他科受診の際に心機能異常を指摘され当科での検査、入院となる方も見受けられ対応しています。
また心不全で入院となる方は比較的ご高齢の方が多く、入院期間が長くなる傾向にありますが心臓血管リハビリテーション等を行い、機能の維持につとめています。

消化器・内視鏡センターとして消化器内科と連携し、食道、胃、十二指腸や小腸、大腸などの消化管および肝臓、胆道、膵臓などの疾患に対し積極的に手術を行っています。
また鼡径ヘルニアや乳腺、甲状腺など幅広い分野の疾患に対しても診断、治療を行っております。
さらに救急搬送後、外科的処置が必要な患者さんの入院も多くなってきております。

整形外科では、外傷外科を主として治療しております。手術を伴う骨折症例が多く、交通事故や高齢者の転倒による大腿骨の骨折は最も多くなっています。
最も多い大腿骨骨折については、高齢の患者さんが多いことから、術後早期からリハビリを行い、早期退院や回復期リハビリテーション病棟への転院または自宅退院に向けて地域包括ケア病棟へ転棟し治療を行っております。

呼吸器センター（呼吸器内科、呼吸器外科）として、肺癌については県内でも治療症例数がトップレベルであり、他医療機関からの紹介患者さんも多い中、外科手術が必要な患者さんについては的確かつ迅速に手術を行い、胸腔鏡下手術も取り入れ、患者さんに最も適切な手術方法を選択しています。
また、呼吸器内科と連携を取り、検査結果・診断・術前・術後の治療についても患者さん中心の最高の治療ができるように努力しています。

眼科では、白内障・緑内障といった一般的な疾患に加え、形成外科とタイアップし眼の形成的な治療も積極的に行っており
まぶたが重くて目が開きにくくなる眼瞼下垂症の治療が１１８例と突出して多くなっております。

放射線科では悪性腫瘍に対するCTやX線透視を用いた侵襲的治療の他に、感染に伴って形成した膿瘍の穿刺排膿なども行っており、
特に胸腔内に感染を生じ膿胸になったものなどは抗生剤の病変部への移行も悪く、膿瘍腔の洗浄を行いながらの入院治療が長期化することもあります。

皮膚科では、外来を中心に湿疹、かぶれ、アトピー性皮膚炎、じんま疹などの湿疹皮膚炎
症候群、白癬症、帯状疱疹、乾癬などの皮膚疾患全般の診断、治療を行っております。
皮膚疾患でもひつように応じて手術などの入院治療も行っております。

泌尿器科では腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道と外性器といった臓器の疾患の治療を行っており、例年上位疾患に変化はありませんが、
上部尿路疾患における短期入院患者さんの治療が最も多く、また内視鏡（開腹）手術による膀胱腫瘍などの治療が多くなってります。

呼吸器センター（呼吸器内科、呼吸器外科）では、肺癌・肺炎・呼吸器不全・喘息・慢性閉塞性肺疾患・間質性肺疾患・膠原病・睡眠時無呼吸症候群をはじめとする気管支や肺の病気の診断、治療を行っており、特に肺癌においては、放射線科・リハビリテーション科など、疾患に関わるすべての科と協力し呼吸器疾患に対する集学的な治療を実施し、県内でも治療症例数がトップレベルであり、他医療機関からの紹介患者さんも多く来院されています。
また、肺炎治療などは救急搬送やクリニックから急性憎悪となった患者さんの紹介による入院治療などが多くなっています。　

当院消化器・内視鏡センターでは、上部消化管（食道・胃・十二指腸）、小腸、下部消化管（直腸・結腸）、肝臓、胆のう、膵臓の
それぞれの疾患に対して加療を行っております。
消化管に関しては、以前は胃癌や大腸癌は手術での加療が主に行われていましたが、現在、早期食道癌、早期胃癌や早期大腸癌に対しては
内視鏡的粘膜剥離術で治療が可能です。

当院では、治療適応病変に対しては内視鏡治療を積極的に行っております。
また、消化管で最も多く行われているのは、内視鏡的粘膜切除術です。
早期の大腸癌や大腸ポリープに対しても、当院では内視鏡的粘膜切除術を積極的に行っております。

胆膵においては総胆管結石や胆管癌、膵癌などで胆管狭窄している方には、黄疸改善のため胆管狭窄に対して
ステント留置術の拡張術、結石除去を内視鏡を用いて行っております。
また、胆膵領域に関しては早期の診断が難しいのが現状です。当院では CT 検査や US 検査では判断が難しい方に対しては
超音波内視鏡での精査も行っております。

三重大学病院とも定期的に連携を行っており、セカンドオピニオンが必要な場合や、診断に難渋する場合など、
適宜大学へご相談やご紹介をさせていただいております。

呼吸器内科、消化器内科、循環器内科の専門内科の医師が連携し、内科の診療に当たっています。
内科であり特に傾向などはなく、上位５位ではありますが各Kコードとも少数であり、平均術後日数も長い傾向になっております。

循環器内科の手術内訳は、狭心症の患者さんに対しての待期的カテーテル治療が最多となっています。
また不安定狭心症や心筋梗塞による緊急カテーテル治療となるケースが53例あり、昨年度と比べて10例増加しています。
他に冠動脈疾患を合併した心不全患者さんへのカテーテル治療等を含めると、合計で30年度に227件の冠動脈カテーテル治療を行いました。
また、徐脈性不整脈に対してのペースメーカー植込みは新規30例、交換16例となっています。

腹腔鏡手術を積極的に行っており、従来の開腹手術に対して痛みも軽く、早期の退院が可能となっております。
また癌の患者さんに対する術後の抗癌剤治療も担当しており、術前、術後を通して患者さん中心の治療を心がけております。

整形外科では、外傷外科を主として治療しております。手術を伴う骨折症例が多く、交通事故や高齢者の転倒による大腿骨の骨折は最も多くなっています。
骨折観血的手術（大腿96件）人工関節置換術（膝・股）人工骨頭挿入術（股43件）を積極的に行っております。

呼吸器センター（呼吸器内科、呼吸器外科）では、肺癌・肺炎・呼吸器不全・喘息・慢性閉塞性肺疾患・間質性肺疾患・膠原病・睡眠時無呼吸症候群をはじめとする気管支や肺の病気を診断して治療を行っており、その中で外科的手術が必要な患者さんに対する治療を行っています。
特に患者さんへの負担が少ない胸腔鏡下による手術を中心に行っており、悪性腫瘍手術は併せて１１５例行っております。

眼科では、白内障・緑内障といった一般的な疾患に加え形成外科とタイアップし眼の形成的な治療も積極的に行っています。
白内障、水晶体の疾患の水晶体再建術・眼内レンズ挿入が２８６例と症例数が一番多く、次いで眼瞼下垂症手術が１１６例となっており、この２例で４０２例実施しております。

放射線科では主に肝癌などの悪性腫瘍に対してX線透視を用いた血管塞栓術、CTガイド下でのラジオ波焼灼療法など、画像を利用した低侵襲治療を行っております。またその技術を応用して、結核アスペルギルス等に伴う喀血や、潰瘍からの消化管出血などに対しても経動静脈的カテーテルアプローチによる止血術、ほぼ全身のあらゆる場所で形成する膿瘍に対する経皮的ドレナージ術、悪性腫瘍からの組織採取なども行っております。

皮膚科では、ほくろや粉瘤などの良性腫瘍や皮膚悪性腫瘍の診断も行い、手術は予約制となっています。
また、三重大学医学部附属病院と病診連携を行い必要な皮膚悪性腫瘍の手術の場合は紹介しております。

泌尿器科では腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道と外性器といった臓器の疾患を担当していますが、その中でも、体外衝撃波やレーザー破砕装置を用いた結石破砕（除去）術や除去術の治療を多く行っており、次いで膀胱腫瘍の治療となっています。

呼吸器センター（呼吸器内科、呼吸器外科）では、肺癌・肺炎・呼吸器不全・喘息・慢性閉塞性肺疾患・間質性肺疾患・膠原病・睡眠時無呼吸症候群をはじめとする気管支や肺の病気を診断して治療を行っており、放射線科・リハビリテーション科など、すべての科と協力し呼吸器疾患に対する集学的な治療を実施しています。
呼吸器疾患に関する手術については、呼吸器センター内の呼吸器外科にて行っており、化学療法を行うための埋込型カテーテル設置を行う患者さんが多くなっております。

消化器・内視鏡センターでは、上部消化管（食道・胃・十二指腸）、小腸、下部消化管（直腸・結腸）の中でも最も多く行われているのが内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術で、大腸ポリープや大腸腫瘍の切除に対して行われます。
また主に胆管狭窄の拡張、黄疸の排出や胆管結石の排石目的に行われる内視鏡的ステント留置術、主に結石の取り除きが困難な場合、石を砕いて小さくします。胆管の出口を切開やバルーンで拡張し除去します。