細菌検査とは
細菌検査部門の業務は感染症を起こす細菌、真菌(カビ類)などを検出・特定することを目的としています。
当院検査室では患者さんの検体(血液・喀痰・尿・便など)から、塗抹鏡検、培養同定、薬剤感受性検査などをおこなっています。
細菌検査の流れ
一般細菌検査
1.塗抹鏡検
材料をスライドガラスに塗抹し、グラム染色を行います。
作製したスライドを顕微鏡で観察し、細菌の形や染色性を把握します。
2.培養
処理した検体を培地に塗布し、約36度前後で4~8週間細菌を培養します。
一般細菌検査より長期間の培養が、抗酸菌検査には必要となります。
3.薬剤感受性検査
同定した菌にどの薬剤が有効か、もしくは無効かを検査します。
当院では同定検査・薬剤感受性検査ともに微量液体希釈法を使用する機器で検査を行っています。
抗酸菌検査
結核の原因菌となる結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に代表される抗酸菌群は、一般細菌とは別方法での染色・培養を行います。当院検査室では培養までを行っており、同定・感受性検査は外部委託となります。
1.塗抹鏡検
一般細菌検査と同様に材料をスライドガラスに塗抹したのち、抗酸菌検査ではチールネルゼン染色を行います。
作製したスライドを顕微鏡で全視野観察し、抗酸菌を探します。
2.培養
処理した検体を培地に塗布し、約36度前後で4~8週間細菌を培養します。
一般細菌検査より長期間の培養が、抗酸菌検査には必要となります。
3.LAMP法
当院では結核菌を迅速に特定するために、塗抹検査で陽性となった検体全てにLAMP法を行っています。LAMP法は結核菌の核酸を増幅させる検査で、1時間程度で結果を得ることができます。
当院での結核菌検出の推移