鼠径ヘルニア

解説

大腿前面の付け根から恥骨あたり(鼠径部)の腹壁の筋膜が薄くなることで隙間が生じ、腹膜や腹膜に包まれた脂肪や腸が飛び出してくる病気で、昔から “脱腸”と言われています。放置すると徐々に膨隆が大きくなり、時に飛び出した腸が戻らなくなり血行障害を起こし(かんとん)、腸の壊死から腹膜炎をきたして緊急手術となることがあります。

治療方針

成人の鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、薬で治療することもできません。手術は人工補強材(メッシュ)を使用して穴をふさぎ、弱くなったところを補強します。鼠径部を切開して行う手術(前方アプローチ)と腹腔鏡を使用して行う手術があり、患者さんの状態やヘルニアの状態によって決定します。