尿路結石

1.尿路結石とは

腎結石、尿管結石、膀胱結石があります。尿中の成分が析出し、結石が生じます。その成分はシュウ酸カルシウム、尿酸がほとんどです。稀に、遺伝的な素因や内科疾患に伴って生じることがあります。メタボリックシンドロームの人に起こりやすく、食生活に伴い生じることが多くなります。結石の長径が10mm以下の場合は自然排石が期待できますが、一定期間排石が無い場合は治療を勧める場合があります。

2.診断

超音波検査、レントゲン検査、CT検査などで診断します。結石の成分によって、レントゲンに写らない結石も存在します。

3.治療

腎結石

体外衝撃波破砕術(ESWL):体外から結石に衝撃波を当てて破砕します。侵襲度は比較的少ない方法です。数回に渡って破砕を行う必要がある場合があります。
経尿道的尿路結石破砕術(TUL):尿管鏡を尿道から挿入し、尿管を経由して腎盂内の結石を破砕します。術後、一時的に尿管ステント(膀胱~腎臓の間に留置する柔らかいチューブ)を留置する場合があります。
経皮的腎尿管砕石術(PNL):背中から腎臓へ穿刺し、拡張させて内視鏡を挿入します。TULと比較し侵襲的ですが、大きな腎結石の場合に選択されます。術後、一時的に腎瘻(背中から腎臓へ直接チューブを留置すること)が入った状態になる場合があります。
経皮的経尿道的同時砕石術(TUL+PNL):TULとPNLでそれぞれ単独での治療が困難な場合に選択されます。PNLと同様に、術後一時的に腎瘻や尿管ステントを留置する場合があります。

尿管結石

体外衝撃波破砕術(ESWL):体外から結石に衝撃波を当てて破砕します。侵襲度は比較的少ない方法です。数回に渡って破砕を行う必要がある場合があります。
経尿道的尿路結石破砕術(TUL):尿管鏡を尿道から挿入し、尿管へ挿入し尿管内の結石を破砕します。術後、一時的に尿管ステントを留置する場合があります。

膀胱結石

経尿道的膀胱結石破砕術:尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを用いて結石を破砕します。

 

 

4.予防

基本的に、飲水や食事内容の工夫により予防を行います。希望に応じて、栄養士による栄養指導を併用して結石の再発予防を行います。

 

飲水

 

 水分摂取は、いずれの結石の成分でも再発予防の基本とされています。1日の尿量が2000ml以上になるように水分を摂取することが推奨されています。

 

シュウ酸摂取に関して

結石の成分がシュウ酸カルシウムだった場合、食事療法が重要となります。シュウ酸を多く含む食品として、葉菜類の野菜、タケノコ、紅茶、コーヒー、お茶(玉露、抹茶)、バナナ、チョコレート、ココア、ピーナッツ、アーモンドなどが挙げられます。カルシウムと一緒に摂取することで、シュウ酸の吸収を低減することができます。

尿酸に関して

結石の成分が尿酸だった場合、プリン体を多く含む食品を減らすことが重要となります。高プリン体食品(レバー、カツオ、干物など)やアルコール飲料の摂取を減らすことが重要です。高尿酸血症を合併している場合、内服治療を追加することもあります。